CMAS(クマスまたはシーマス)は、フランス語の略称で世界水中連盟を意味します。世界160以上の国々が加盟する国際機関であり、世界で最大の水中活動の連盟になります。世界的な認知度も最も高い機関です。
本部はイタリア、ローマになります。素潜りの第一人者でもあり、映画「グラン・ブルー」のモデル「ジャック・マイヨール」などもCMASで活動していたメンバーの一人です。
国内でも最も大きい水中連盟(ダイビング国際機関)で加盟店は400店舗以上になります。CMASの発行するCカード(認定証)は世界中の海でダイビングを楽しむことが可能なだけではなく、世界中のダイバーから最も信頼されています。
CMASの正式名称は世界水中連盟(フランス語:Confédération Mondiale des Activités Subaquatiques, 英語:World Underwater Federation)。CMASは略称であり、シーマス、クマスと読みます。
1959年に15カ国(西ドイツ、ベルキー、プラジル、スペイン、フランス、イギリス、ギリシヤ、イタリア、マルタ、モナコ、ポーランド、ポルトガル・アメリカなど)の代表が集い、設立されました。初代会長は、レギュレーターの発明者である「ジャック・イブ・クストー」になります。
世界最大の水中連盟 CMAS(世界水中連盟)
1958年9月28日、水中活動に関する国際組織設立に向けた国際会議がベルギーのブリュッセルで開催され、これを受けて1959年1月10日、モナコで世界水中連盟(CMAS)が設立された。
CMASは、水中活動の開拓、世界各国の水中活動の支援、水中における法律や規則の国際的な統一化、水中活動の国際大会や国際学会・研究会の後援、水中で行われるスポーツ、水中での技術開発基準の統一、水中科学の研究支援を行っている。
そして、水中活動連盟未加盟の国々への設立支援、国連教育科学文化機構(UNESCO)、国際オリンピック委員会(IOC)国際文化団体等との交流、水中活動全般に関し国際間調整と水中活動の振興活動を行ってる。
世界水中連盟は、水中科学、水中スポーツ、水中技術の3つの委員会に各国の代表組織が加盟し構成される。この3つの各国代表による委員会とは別に水中写真や水中医学、児童生徒向けの水中活動内容も扱う。公用語はフランス語、英語、スペイン語である。
具体的には、水中スポーツ(フィンスイミング・アプニア等)・水中技術(スクーバダイビング等)・水中科学(海洋博物館・海洋研究所等)の3つの組織(委員会)で構成され、この3つのそれぞれの委員会に各国が加盟し、それぞれの分野で活動している。
CMAS本部サイト https://www.cmas.org/
水中科学委員会
海洋学や水中考古学・水中科学関連の国際会議開催や、海洋環境保護に関する活動(世界海洋大賞(GPIEM)の授与)等を行う。ユネスコNGO加盟。
水中スポーツ委員会
水中スポーツの国際大会(世界選手権、大陸別選手権、ワールドゲームズ(フィンスイミング)など)を主管する。国際スポーツ連盟連合GAISF、国際ワールドゲームズ協会(IWGA)および国際オリンピック委員会(IOC)承認団体ARISFメンバー。
水中技術委員会
スクーバダイビング関連の技術指導と諸規則の統一、国際資格認定など。
歴代会長一覧
1959年 – 1973年 ジャック=イヴ・クストー
1973年 – 1985年 ジャック・デュマ(Jacques Dumas)
1985年 – 1989年 ピエール・ペロー(Pierre Perraud)
1991年 – 1993年 クリスティアン・アイド(Christian Ide)
1993年 – アキーレ・フェレーロ(Achille Ferrero)
注:1989年から1991年は副会長による会長代行期間。
世界水中連盟CMASの役員には、日本では過去に小林良雄、岡本康男が選挙により常任理事に当選し活動した。又、吉澤俊治が2009年に当選した。
CMASによるダイビングハンドシグナルの発明
沈黙の世界では、ダイバー間のコミュニケーションは安全の重要な要素です。したがって、標準化されたハンドシグナル(水中サイン)の必要性は非常に早い段階で、1958年3月8日にカンヌで開催された会議の時点で確立されました。
この件に関して、ジャック・シュトー教授は1958年7月に「グループダイビングでは、状況のいくつかの要素を相互に理解できる簡単なコミュニケーション手段が不可欠な安全要素」と述べています。
ダイバー間のコミュニケーションは、数多くのハンドシグナル(水中サイン)が提案されています。その多様性は、異なるグループのダイバー間で理解することが難しいことに加えて、これらの兆候がパートナーにとって反対の意味を持っている場合、壊滅的な事態になる可能性があります。
この状況を改善するために、簡素化された一連のハンドシグナル(水中サイン)が提案されました。提案されてたハンドシグナル(水中サイン)はダイバーが片手で他のダイバーに合図できることを考えられました。
1958年の会議では、これらのハンドシグナル(水中サイン)について議論され、参加者の大多数がそれらを採用することを決定しました。
1960年、バルセロナで開催されたCMAS会議でイヴ・ノルマンは、世界規模で標準化されたハンドシグナル(水中サイン)の最初の出版物となる公式な教本を作成しました。これらは1999年のシンガポール会議で完成しました。
現在もダイバーの間で使用されているハンドシグナル(水中サイン)はCMAS(世界水中連盟)によって作成され、一般的に普及されたのです。
CMASの主な世界各国の活動
現在(2024年)、CMAS(世界水中連盟)は下記の加盟国によって活動する世界最大の水中連盟になります。
アジア
アブダビ、カンボジア、イラン、インド、日本、カザフスタン、キルギス、マレーシア、マリアナ、中国、パレスチナ、フィリピン、サウジアラビア、韓国、台湾、タイ、ベトナム、バングラデシュ、インドネシア、ジョーダン、クウェート、レバノン、モンゴル、パキスタン、カタール、シンガポール、アラブ首長国連邦
アメリカ
アルゼンチン、カナダ、チリ、キューバ、メキシコ、ペルー、アメリカ合衆国、ウルグアイ、ブラジル、カナダ、コロンビア、エクアドル、パナマ、ベネズエラ
東ヨーロッパ
ウクライナ、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ベラルーシ、ポーランド、モルドバ、ルーマニア、ロシア連邦、チェコ共和国、トルコ、アルメニア、キプロス、イスラエル
西ヨーロッパ
オーストリア、オランダ、スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク
南ヨーロッパ
アルバニア、イタリア、ギリシャ、クロアチア、サンマリノ、スペイン、スロベニア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ
ポルドガル、モンテネグロ
北ヨーロッパ
アイルランド、イギリス、エストニア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、リトアニア
オセアニア
オーストラリア、ニュージーランド
アフリカ
アルジェリア、エジプト、モロッコ、ナミビア、セーシェル、南アフリカ、チュニジア、ウガンダ、リビア、カーボベルデ、モーリシャス、ジブチ共和国、南アフリカ、タンザニア、チュニジア